2月17日~21日までの7日間、鹿児島県にてプロフェッショナルレフェリー(以下PR)のトレーニングキャンプが行われました。17日から19日は他のJ1主審担当のレフェリーと合同で実施された。3月のJリーグ開幕に向け、PRとJ1主審担当審判員の約計20名が上川トップレフェリーインストラクター、山岸フィジカルトレーナーの指導のもと、トレーニングを実施しました。
Jリーグ開幕まで3週間をきったこの時期、九州地域ではJリーグの各クラブがキャンプを行い、選手達はシーズンを乗り切る体を作り上げていきますが、PR達も選手と同様に、シーズンを通して安定したレフェリングを続けるための体作りに励みます。今回のトレーニングキャンプでは、ランニングフォームの講師やメンタルトレーニングの講師を招いき、フィジカル面だけでなく、きめ細かいサポートを行いました。
期間中は、山岸氏によって昼食をはさんで午前・午後と様々なメニューが組まれ、参加レフェリーにとって充実したスケジュールとなっています。レフェリー達はこのキャンプ中、食事も一緒という環境の中で、トップレフェリーとしてのチームワークも高めていきます。
今回特徴的なトレーニングだったのが、18日の午後に地元・鹿児島城西高校サッカー部の協力を得て、実施されたトレーニングでした。このトレーニングでは、心拍数を高めた状態で、スプリント、ターン、予測不能な動きの判断、ポジショニング等の様々な実際のシチュエーションを考慮した内容で、レフェリー達はかなりハードでありながらも、終了後には達成感で満たされていました。また、翌19日は、同サッカー部の協力のもと、基本的なファウルの判断や体の動きを確認する為、様々な状況を設定したペナルティー付近のフリーキック、などのプラクティカルトレーニングが行われました。微妙な判定に対しては、上川氏や廣嶋氏を交えて参加レフェリーがその場で議論をし、きちんと修正していくなど、トレーニングにおいてもトップレフェリーならではの徹底した姿勢がうかがえました。

『今回のキャンプは開幕間近ということもあり、フィジカルトレーニングにおいては、実践的な要素を盛り込んだ内容をねらいとして実施した。中でもレフェリー要素として重要な加速、減速、ターン、アジリティを繰り返し発揮できる持久能力を鍛えた。ハードな内容ではあったが予測のできないシチュエーションで実施したため、判断要素も求められ、質の高いトレーニングとなったように感じる』山岸フィジカルトレーナー
3年ぶりに日本で開催された、FIFAクラブワールドカップ2011は、FCバルセロナがその華麗なパスサッカーで、ペレの再来と噂される、ネイマール率いるサントスを圧倒的な強さで破り、世界一を手にして幕を下ろしました。皆さんもスタジアムで、あるいは、テレビの前でその華麗なサッカーに酔いしれたことだと思います。
また、私たちの代表である柏レイソルは、準決勝では惜しくもサントスに敗れ、3位決定戦に回り、その3位決定戦も90分間優位に試合を進めるも、ゴールを奪うことができず、PK方式の末、惜しくもアルサッドに敗れ3位の座を勝ち取ることはできませんでした。しかし、オークランド・シティーFC、モンテレイを撃破し、大会を大いに盛り上げてくれたのではないでしょうか。
さて、今回この大会の準々決勝2試合を使って、「試合観戦審判研修会」を開催しました。
「観戦研修」というとおそらく皆さんは、試合を見ながらメモを取り、試合後に私たちインストラクターが判定や動きの解説をし、参加者からの質問に答えるというスタイルを思い浮かべるのではないでしょうか。今回は、無線を使用し、参加者の皆さんはレシーバーを持っていただき、私たちインストラクターの判定や動きについてのコメントを、一方的に聞いて頂くというスタイルを初の試みとして行いました。
この研修会に約210名の方が参加して頂き、私たちのコメントに熱心に(と私は信じています)耳を傾けて頂いたことに感謝します。
担当したインストラクターは小幡チーフインストラクター、岡田S級インストラクター、そして廣嶋の3名です。解説役を仰せつかったものの、私たちインストラクターも初の試みであるため、上手くレフリングのポイントや、審判の特徴などを皆さんにお伝えできたかどうか不安ですが、もし上手く伝わっていたとすれば幸いです。
第1試合「エスペランス」対「アルサッド」、小幡さんと私が担当しました。審判団はチリの審判団。試合は皆さんがご覧になられたようにアフリカ王者「エスペランス」がゲームを支配しながらアジア王者「アルサッド」がカウンターを狙う展開でその狙い通りカウンター2発でアルサッドが勝利を収めました。レフリングのポイントとしてはエスペランスがボールを支配している中でアルサッドのカウンターを予想し、それに遅れないポジション取りと動きでしょう。特にゴール前の判定を良いポジションで判定できるかどうかが大切でしょう(これはどの試合でも同じでしょうが・・・)この試合のレフリーの動きとしては、中盤は比較的直線的でペナルティーエリア付近は外に開くことが多く、そのことでゴール前にボールが入れられた時に少し遠くなることがあったのではないでしょうか。また、アルサッドがリードしたことで遅延行為をどう防ぐかということも大切なポイントになりました。
副審面では、アルサッドのカウンターに遅れないか、そのための予測が必要であったと思います。エスペランスは比較的ボールを繋いでくる攻撃であったので、細かなステップとポジションの細かな修正でオフサイドラインを的確にキープし、オフサイドの正しい判定に結び付けることが必要であったと思います。レフリーサイドのスローインの判定時に主審が先に判定を下した時に方向指示をしていないのが気になりました。
第2試合は「柏レイソル」対「モンテレイ」。岡田氏と私が担当です。審判団はニュージーランドの審判団。南アフリカのワールドカップにも呼ばれていたと記憶していますが、若い審判です。若いレフリーらしく躍動感のあるランニングスタイルから、比較的争点の近くでの判定を心がけていた印象を持ちました。
副審の部分ではミドルあるいはロングシュートに対するスタートが遅くいく部分が気になりました。また、柏サイドでモンテレイがサイドからゴール前にクロスを入れるFKでは、柏がラインを高くし、モンテレイも2人程オフサイドポジションに位置するという状況が多く、その時にボールが蹴られた瞬間にどの選手がオフサイドポジションで、その選手がプレーに関わっているのか、集中力が要求される場面であったと思いました。
先にも述べたように全く一方通行でのコメントであったために参加者の皆さんのニーズに合ったものであったのかどうか、私たちもつかめない中での研修会でした。できるだけ私たちがレフリングの分析を行うときの観点を参加者の皆さんにお伝えできるように努力したつもりではありますが、上手く伝わったかどうか今でも不安はあります。しかし。もし今回の研修会で皆さんのサッカー観戦に新たな楽しみがもし加わったとしたら私たちにとって大きな喜びです。このレポートの文章の中だけでは、私たちが現地で行ったコメントの1/10も伝えることができません。もしまたこのような機会がまたあれば皆さん是非ともご参加ください。そこで皆様とお会いできることを楽しみにしています。
最後になりましたが、寒い中参加して下さった皆様有難うございました。
◆FCWC試合観戦審判研修会アンケート結果
アンケートにご協力頂きまして、誠にありがとうございました。

◆参加者の皆さんから頂いたコメント
参加者から頂いたたくさんのコメントから一部をご紹介させて頂きます。
たくさんのコメントありがとうございました。
・通常のテレビの解説と違って審判視点での講義が聞けるのは、非常に有意義でした。
・審判同士(主審・副審)とのコミュニケーションの重要性と審判と選手との信頼の築き
方がとてもよくわかった。
・ファーストホイッスルの取り方、笛の吹くタイミング、フラッグの上げ方についてよく
理解できた。自分が審判をやるときに役立てたい。
・試合開始直後や終了間際の重要な局面での審判の心構えや気を付けるポイントがとても
参考になった。
・ぜひJリーグやFリーグ等でもこういった研修をやってほしい。
・解説頂いたインストラクターに質問ができる機会をもっとつくってほしい。
・同伴者も解説を聞ければなおよかったと思う。解説を聞いて審判をやりたいと思うひと
はたくさんいると思う。


EAFFのU15大会参加審判員が”がんばろうニッポン”のワッペンのついた審判服を着ての集合写真です。皆さん、心を合わせて、日本の復興について、願ってくれました。